新米養護教諭の日常

どこに需要があるかは分からないですが、面白い文章を書けるようになりたいと思っています。新米養護教諭です。

読書録②「私の居場所はどこ?〜保健室で受けとめた子供のサイン」

今回は読書録②です。

「私の居場所はどこ?~保健室で受けとめた子どものサイン〜小学生編」

企画:全国養護教諭サークル協議会 作者:五十嵐由紀

を読みました。

 

短編集なので、印象に残ったことをそれぞれ記していきます✨

 

第1章 小さい頃の育ちが友達関係のこじれに

⑴母親が、兄ばかりを可愛がり、Aちゃんは、大人しく聞き分けも良いから、と放ったらかしにしている状態。Aちゃんは寂しさからイタズラ等をして、大人の気を引く。→養護教諭が、イタズラに対して怒るのではなく、なぜそうしたのかを優しく聞く。受容的になることで子どもは正直に話せるようになる。

親に対しては、子育ての大変さを共感したり、褒めることを継続することで、話をしに来てくれるようになる。話が出来ると、子どもの問題解決に一緒に取り組める。

⑵子ども同士で仲間はずれをしていたら?

まずはそれぞれの気持ちを1人ずつ聞く。気持ちを確かめた上で、話し合いの場所を作り、お互いの気持ちを理解し、これからどうするかを考えさせる。これを繰り返して、自分たち自身で人間関係を上手に構築する力を付けさせる。

 

第2章 身勝手な親の生き方が子供を苦しめる

(1)Bちゃんは母親が再婚したが、新しい父親が妹ばかりを可愛がるため、Bちゃんは反抗して、より父親との関係が悪くなる。という状況に陥っていた。Bちゃんはバス酔いで嘔吐したことをきっかけに、摂食障害となっている。→Bちゃん、家族の話を聞く。学校医と相談し、必要に応じて精神科を受診させる。精神科医は、Bちゃんは、とても良い子で、何も問題はない。と言い切り、母親が悪い。母親のせいでBちゃんの状態が悪くなっていることを強く自覚しなければならない、とはっきり言った。

 

精神科医のおかげでBちゃんは、自分が悪いと思っていた気持ちを拭うことができ、摂食障害を治すことが出来た。また母親も、精神科医にはっきりと言われたことで1度はカッとなったが、Bちゃんに対する姿勢を改めることが出来た。

☆メモ

養護教諭「受診を続けるかどうかはお母さんの判断で良いと思いますが、私も担任も一緒に行って、Bちゃんがどういう状態なのか、これからの見通しはどうなのか、学校ではどうしたら良いか聞いておきたいのですが」と母親にお願いすることで、受診に同行し、Bちゃんと母親についての医学的知見を得て、問題解決に繋げることが出来た。

 

⑵Cちゃんの母親は、家にこもりがち、すぐに怒るという性格があり、Cちゃんは母親を怖がって自分の意見を言えない状況にあった。

母親自身は、男兄弟の中で育ったので、Cちゃんへの接し方がよく分からないなどと話している。父親は今年から職場が遠くなったため、あまり関わることが出来ていない状況であるが母親も子ども達も父親のことが好きで頼りにしている。

養護教諭は、家庭訪問をする機会を得たので、Cちゃんと、母親にどのような話をするか、しっかりと作戦を立てて、Cちゃんが母親に対して言いたいことを言えるように応援する、と伝えた。家庭訪問中、Cちゃんの言いたいことを言えるように、まずは養護教諭が母親と信頼関係を築きながら、Cちゃんが話を出来るように会話の流れを作っていた。また、母親がCちゃんに対して素っ気ない態度をとっている時には、「Cちゃんはお母さんが大好きなのよね。」と話すことで、母親の気持ちが柔らかくなった。

☆メモ

養護教諭「思春期に近づくと子どもは、自己を作っていくために親に反発する反面、まだ甘えたい、もっと自分を見ていてほしいという矛盾した気持ちを持つのです。お母さんと食事を作ったり、遊んだり、おしゃべりをする中で安心感を持ち、少しずつ自立していけるのですよ。」 私もお母さん達にこのようなアドバイスが出来るようになれたらいいなぁと思った。

 

⑶「お母さん、学校でのDくんの様子を聞いていますか?」と聞くことで、母親と子どもの関係性が分かる。次に、「Dくんのこれからについて一緒に話し合いたいのですが」と話し合いに持っていく。

 

以上のことより、

養護教諭は子どもの代弁者となることも大切。これは看護師と同じである。(advocater)

また、母親との関係性が悪い場合は、父親や、祖父母の力を借りたり、子どもが1番信頼出来る人、出来ない人などを把握していくことも必要。根気よく、信頼関係を築くことで、解決の糸口や、タイミングが見えてくる。

 

長文になりましたが読んでいただいた方、ありがとうございました✨